札幌の文化遺産(札幌市指定有形文化財)

新琴似屯田兵中隊本部


北区新琴似[西5丁目樽川通]の新琴似8条3丁目の歩道に建てられている標識です。

新琴似神社の境内に復元され保存されているかっての[新琴似屯田兵中隊本部]です。
[新琴似]は札幌市の北区にあり、現在はJRの学園都市線が走り、新琴似駅も高架駅となって札幌のベツトタウンとして大きく発展を続けていますが、この沿線には[百合が原公園]などもあり、自然も豊かで歴史の古い町の一つです。この地に入植した新琴似屯田兵は琴似、山鼻に比べて入植したのも遅く明治19年です。 現在新琴似神社の境内に新琴似屯田兵中隊本部が残されていて、資料館として 内部を公開しています。建物全体の形は素朴ですが、玄関出入り口や窓周りなどには当時流行したバルーン構造建築の特色が活かされています。1972年に創建時の姿に復元され1974年に札幌市有形文化財に指定されています。



この写真は展示室の一つですが、展示室の入り口に[下士官事務室]の表札があります。各展示室にも[軍医室][下士官集会室][中隊長室]などの表札が掲げられ当時の面影を残しています。展示室には[新琴似の歩み][屯田兵の暮らし][新琴似屯田兵村の誕生]などのパネルもあり、当時の様子が手にとる様に理解できます。

左の写真は展示室の[もやい井戸]です。[もやい]とは共同という意味で、村内には4戸ごとに井戸が掘られ、この側には風呂もあったようです。この井戸は直径約90a、高さ約70aの桶を地中半分までに埋め、桶の底から水源までは竹筒が使われていました。



新琴似神社は新琴似駅からも近く、広大な敷地を四囲を塀で囲まれ、交通が激しい幹線道路の側にありながら、ここだけはひっそりと静まりかえっています。この神社も屯田兵の入植直後に創建され、天照大御神、神武天皇、豊受大神が祭られています。



境内にある[百年碑]の巨石が歴史の重さを表徴しているようです。




かつての中隊本部です。(展示室のパネル写真より転載)


新琴似兵村兵屋。(展示室のパネル写真より転載)