札幌の文化遺産(さっぽろふるさと文化百選)

旧現北海道立文書館別館(現 北菓楼)

かっての中央区北1条西5丁目の[北海道文書館分館]は、北海道庁立図書館として1924年摂政の宮行啓記念事業として建設が進められ、2年後の1926年(大正15年)に開館しました。札幌市の中心北1条通に面した南面の正面には、ジヤイアントオーダー(数階の高さに及ぶ柱)や入口の額縁と窓周りなどに大きな特色を持った建物です。この裏側が道路を挟んで道庁構内です。現在は砂川市の菓子製造業[北菓楼]に売却され、同社はこの建物の外壁を保存しながら店舗と文化教室、ギャラリーなどの文化施設を併用した建物として営業しています。


外観はこれまでと変わっていませんが上記写真の左門は閉鎖され、新たに建物の右角に入り口が設けられました。
左図は入り口を入った1階通路です。
下の写真左は1階の売店で、右は2階の喫茶コーナーの様子です。



左図はかって建物の前に設置されていた[さっぽろふるさと文化百選]の案内ボードです。そこには大凡次の様に記載されています[札幌で最初の本格的な図書館として建てられた建物である。ジャイアントオーダーを建てた古典様式を基調としながら細部に幾何学的な装飾を付けたセッション風のデザインを施し建築史上の過渡的特徴を表している。設計者は後に北大理学部本館などを設敬した萩原惇正を中心とする道庁建築課の技師である。昭和42年(1967年)まで使用されたあと道立美術館(後に道立三岸好太郎美術館)となり、現在は道立文書館別館となつている]。
(註)歴史を知る上での参考のため掲載しました。

北海道に縁の深い三岸好大郎の作品を集めた美術館は、当初1967年(昭和42年)旧北海道庁立図書館内に[三岸好太郎記念室]として発足しました。写真の[三岸好太郎美術館]は、北海道知事公館に隣接した場所に建設されています。1983年(昭和58年)建設された美術館は、白亜の外観で雪の北海道にマツチした景観を醸し出しています。