札幌の文化遺産(国指定重要文化財)

八窓庵

[八窓庵]が現存する中島公園は、[大通公園][円山公園]と並んで札幌市の代表的な公園です。この公園の中心に位置する[日本庭園]に隣接して[八窓庵]があります。
[八窓庵]は、江戸時代の大名で茶人の小堀遠州(1579-1647年)が建てたと伝えられる茶室です。当初は、滋賀県の小室城内に建てられ、1936年に国宝に指定されましたが、国宝保存法が廃止され1950年に国指定の重要文化財になりました。この茶室が札幌に移転するまでの経緯は色々あるようですが、札幌在住の持田謹也氏が買い取り北4条西12丁目の自宅に移転しましたが、その後実業家の長沢元清氏の手に移り、昭和62年に氏から札幌市に寄贈され現在地に保存されています。下図は八窓庵の入口に設置されている案内ボードです。移転の経緯、建物の構造などが詳しく記述されています。


この建物は、2005年積雪のため倒壊しましたが2006年には修復しました。現在内部参観が許可されず、外廻りからのみの撮影となりました。案内によると、建物は、三分庵、水屋を敷設した3室1棟で、内部は、2畳台目(2枚の本畳プラス本畳の4分の3の広さ)で、8つの窓があるのが特徴だと云われています。恐らく[八窓庵]の名前もこのことに起因しているのでしょう。