札幌の文化遺産(札幌市指定有形文化財)

清華亭

[清華亭]は、北区北7条西7丁目に保存されており、北8条通を挟んで北側は北大のキャンパスが広がっています。1961年(昭和36年)に明治時代の和洋折中様式の歴史的建造物として札幌市が有形文化財に指定しています。

左の写真は、現在保存されている[清華亭]です。この一帯はかつて[偕楽園]があった場所ですが、現在はこの建物のみが保存されています。清華亭と道路1本を挟んで北大キヤンパスです。[清華亭]は、偕楽園の中に、開拓使が貴賓接待所として建てたものです。約8ヶ月の工事により1880年(明治13年)に竣工しました。この建物は豊平館と並行して建築が進められ、演武場(現在の時計台)と共に我が国で少ない開拓使建築の遺構として貴重な建造物となっています。明治14年には明治天皇の札幌行幸の際のご休息所ともなり、現在の敷地の中に記念碑が建立されています。この建物は和洋両様式で外観は洋風で統一されています。

[清華亭]の特徴は[和洋折中の建築様式]です。左図のように玄関を入ると先ず右手に[洋間]があります。約16畳間の洋間で目を惹くのは、出窓と天井の飾りです。パネルでの説明文を引用します。
出窓
洋室の南面に[ベイウインドウ(出窓)]がある。これは単に開口部であるばかりでなく外観の装飾となり室内に重厚な思いを与える効果がある。またこの部分はすべてセンの木を使用している。この様なベイウインドウの採用は明治初期の建築では珍しい例である。
天井中心飾り
洋室の天井中心にはシャンデリアを中心としたシックイで天井中心の飾り(メダリオン)をつくり、その内部に[桔梗]の彫刻を施している。この様なシックイ彫刻は、粘土のように固く練ったシックイを直接貼りつけていくもので硬化迄の時間が短いので、手早く作業をしなければならず高度な技術が要求される。桔梗模様は和風であり、洋室にこの様な和風模様の採用は洋風建築における和風要素を取り入れた事例として注目される。
和室
清華亭は、外観、構造共に洋風であるが、付け書院、床、棚等を持つ和室がある。これは清華亭のもつ使用目的上の必要から生じたものであろう。

洋室には、清華亭に関する様々なパネルが展示されていますが、下左図は黒田清隆が命名した清華亭の扁額で、下右図は偕楽園のミニチュア模型です。
西面に突出する玄関部は、切妻屋根で妻は十字形の妻飾りを付けている。尚、星型飾りは開拓使の記章である。






入り口側に建立されています。
偕楽園時代の[清華亭]


所蔵 北大付属図書館