菜洗神社[豊平区月寒東2条14丁目]

鳥居
[ジンギスカン]といえば、誰でもが北海道をイメージする名物料理の一つですが、このジンギスカン発祥の地と言われているのが札幌市豊平区にある[八紘学園]です。広い敷地の中には農場、牧場、花畑などが点在し、北海道らしさを誇る観光スポツトの一つでもあります。この敷地内には、札幌市の文化財にも指定されている洋館(黒沢記念館)や石庭がありますが、この菜洗(ナアライ)神社はここに隣接して造営されています。この神社の狛犬は大変精緻に作られている芸術的にも価値の高いものだと言われています。のどかな牧歌的な空間の中で、この神社と牧舎やサイロが歴史の流を感じさせてくれます。
本殿
奥に佇む社殿は木造のこじんまりとした祠ですが歴史の重みを感じさせてくれます。この神社は、江戸時代[菜洗(現在の千葉県市川市)に在住の旧拓銀頭取岡田信氏の敷地内にあったものを昭和15年に八紘学園の園長が引き取り現在地に移したものだそうです。ご神体は、芸能の神様として有名な京都車折(クルマザキ)神社の御札です。
狛犬
狛犬は社殿の前に対で設置されています。札幌は軟石の採掘でも有名で札幌軟石の建造物が市内各所に現存していますが、かつては色々な面で軟石が活用されていた様です。この狛犬も軟石で造られて居るという説があるようですが、事実は関東から運ばれてきたもので札幌軟石ではないようです。この狛犬の足元の球の[透かし彫り]が精緻で大変貴重な作品であると言われています。
狛犬
もう一つの狛犬です。この対の狛犬から鳥居にむかつて4つの石灯篭等、中々凝った境内で、鳥居前から見るロケーシヨンも良くかなりの私財を投じてつくられた痕跡を感じさせてくれる神社です。
栗林石庭
隣接する栗林記念館は広い庭園の中にありますが、庭園は[栗林石庭]と呼ばれ、邸の入り口から様々な形をした石が配列されています。八紘学園は正式には[北海道農業専門学校 八紘学園]です。1896年(明治29年)秋田県で生まれた栗林元二郎さんがその後北海道に移住し、1930年(昭和5年)この学園を開きました。地下鉄東豊線福住駅から歩いて10分程の処にあります。