札幌の文化遺産(さっぽろふるさと文化百選)

秋野総本店薬局



[さっぽろふるさと文化百選]に選ばれている、秋野総本店薬局です。現在も中央区南1条西1丁目にあります。この建物は1901年(明治34年)に竣工していますが、南1条通に面した部分は石造倉で隣が店舗です。明治の商家の佇まいを今に伝える貴重な文化資産です。



建物の全景です。店舗の南サイドは木造の住宅です。秋野薬局の開業は1872年(明治5年)と言われています。開拓使が札幌の街造りを始めた時期を一にして始めた老舗中の老舗といえましょう。



この建物の前が南1条通です。写真は東方向を俯瞰したものですが、この先には札幌の基点となった[創成橋]があり、札幌の街は此処を基点として東西南北に区割りされています。地下鉄開通前はこの通にも市電が走っていました。方向を転じて西方向を俯瞰すると西2丁目からはデパート、大型店が立ち並ぶショツピング街です。近代的なビルが建ち並ぶ中心街の一角に明治の歴史的建造物が燦然と輝いて見えます。
現在の南1条通は[渡島通]と呼ばれていました。



日高・渡島通



現在の[南1条通]は、かって[日高・渡島通]と呼ばれていました。札幌の街づくりは、開拓使によって進められましたが、明治2年開拓使は、札幌本府の建設に着手し、島義勇判官から岩村判官の時代[大友堀(現在の創成川)]の川岸(現在の創成橋)付近を札幌の中心街と定め、この地点を起点として東西南北の区画を設定しました。創成川以東が[日高通]、創成川以西が[渡島通]で、創成橋を中心に東西1-2丁目が街の中心でもありました。秋野総本店と並んで店舗を構えていたのは[丸井今井呉服店][今井洋物店][古谷商店]等がありました。所蔵 北大付属図書館



今井洋物店 所蔵 札幌市公文書館



古谷商店 所蔵 札幌市公文書館