札幌の文化遺産(さっぽろふるさと文化百選)

淺野邸

(註)浅野邸は、2010年秋に解体されましたが、思い出の建造物の記録として残しました。



札幌の繁華街ススキノの中心から少し西の方向、南5条西8丁目にある[淺野邸]です。交通量の多い幹線の一角に建つ木造の住居です。1913年(大正2年)の建築物で今も尚明治の風格を残した邸宅として、さっぽろふるさと文化百選にも選定されています。



淺野邸の全景ですが、昭和60年からは[茶房 あさの]として活用されています。玄関前には茶房の表示もありますが、内部には豪華な調度品等も多く、座敷なども一見の価値があると言われています。この建物の直ぐ隣が[祖霊神社]です。



写真は正面玄関ですが、建築的には玄関の脇の出窓に特徴があると言われています。周りをビルに囲まれた現代都市のまん中に現存するクラシックな佇まいは、札幌の歴史を語る[語り部]の役割を果たしている様です。

この建物の裏手には立派な門柱があり中に庭園が広がっています。春、秋のシーズには美しい花を咲かせています。勿論中には入ることが出来ず塀越しに拝見しましたが、庭園には[淺野次郎右衛門邸]の来歴を記したボードが建てられていました。この建物も大変歴史的にも由緒ある建物で有ることがわかりました。ボードには大凡次の様に記されていました[淺野家初代次郎右衛門は元治元年(1864年)5月10日現在の富山県に生まれ、明治17年渡道、明治32年札幌の現在地に居を構えて土木請負業[淺野組]を創設し開発事業に取り組んだ。庭園は春のツツジ、秋の紅葉と咲き誇りその美しさは現代においても変わることを知らない。当邸は、定山渓鉄道の社長、市会議員として活躍した二代目淺野一夫に引き継がれ、政財界との会議、遊園など応接間としての役割を担い、多いにもてはやされ札幌発展の一助となった]。