建物の横に廻って見ると銭湯の煙突がそのまま残されています。この煙突から黒い煙りを吐きながら銭湯に通う当時の人達を暖かく迎え入れていた姿を想像しながら、煙突1本にも歴史が遺されていることを痛感させられました。
北海湯の二軒西隣りには旅館がありました。(芙蓉館と云う看板が見えます)新しく改装されていますが恐らく古くからの伝統を誇る旅館だつたのかも知れません。札幌駅の北口、数多くのホテルがあるなかでの旅館と云う名称にたまらなく郷愁を感じます。かつてこの地区が札幌市街建設の中心部であった歴史の証左かも知れません。
目を東に転ずると道路を挟んで東4丁目の角にこれまた[札幌景観資産No25]に指定されている[高城商店]があります。このすぐ近くはかって元村街道と呼ばれた通りでこの界隈は、明治中期には製麻工場や麦酒工場が建設され従業員の寄宿舎や社宅の増加とともに商店街が賑わいをみせ、両側に商店や飲食店が数多く建ち並らんでいたそうです。