札幌の文化遺産(札幌景観資産No17)
札幌市資料館(旧札幌控訴院)
札幌の大通公園の西外れに[札幌資料館]があります。この建物は[旧札幌控訴院]で1926年9月に建てられたものです。外壁は内側にレンガ、外側に軟石を積み上げた構造で、貴重な歴史的建物として平成9年に国の有形文化財に指定されていますが、平成19年には札幌景観資産No17の指定を受けています。昭和22年からは札幌高等裁判所が、昭和48年からは現在の札幌資料館として使われています。ここには[街づくりの歴史展示室]他、ギヤラリー、地元出身の漫画家おおば比呂司さんの記念室、札幌夜学校の記念室などもあります。
この建物は先程紹介したように札幌の軟石で造られていますが、正面中央の造形が個性的でこの建物の特徴だと言われています。この中に目隠しをしたギリシア神話に出てくる女神が飾られています。この周りには、花の組紐に囲まれた対の鏡、また、剣と秤なども飾られています。秤は[公正] 剣は[正義]鏡は[真実]を表し、女神の目隠しは[私見を挟まない]と言う意味だそうです。
札幌資料館の正門玄関を入ると左手の壁に下の様な登録パネルが掲げられ、ここには昭和61年当時80歳の豊平区にお住まいの加藤幸作さんの自筆署名入りの[札幌資料館]に関する由来が掲示され、この建物を約100分の1に縮尺したミニチュアが展示されています。
このミニチュアは、キャビン1500枚、外箱200枚、しんせい500枚、その他200枚を使って5ケ月で作成したと記載されています。
現在の資料館の前身である札幌控訴院が建立された当時の大通公園の様子です。現在の様に整備されない公園の西端に泰然として佇んでいる控訴院の姿です。
現在の札幌資料館の前(大通公園西12丁目)には、佐藤忠良制作の[若い女の像]が建立されています。バツクには札幌の歴史的建造物である札幌資料館(元札幌控訴院)があり、古典的な建物と近代的な若々しい乙女の裸像が対照的なコントラストを描いています。像の周りはバラ園で季節には美しい花の中にシルエットを写し出しています。
一方、資料館の裏手は木立に囲まれた緑地でさながら大通公園の延長と云った趣です。