札幌の文化遺産(札幌景観資産No10)

旧石切山駅(現石山振興会館)



南区石山1条3丁目にあるかっての定山渓鉄道[旧石切山駅]で国道230号の[石山中央]バス停前にあります。道路を挟んで正面には札幌景観資産No05に指定されている[旧石山郵便局]があり、二つの歴史的文化財が対峙して保存されています。

定山渓鉄道は、1918年(大正7年)開通し1969年(昭和44年)廃止となりましたが、札幌と定山渓温泉を結ぶ唯一の交通機関として沿線の発展に大きく寄与しました。ここ石切山(現在の石山)は、札幌軟石の採掘場としての拠点でもあり、定山渓鉄道は産業面においても大きな役割を果たしていました。旧石切山駅舎の前に掲げられた駅名の表示が当時の名残りを留めています。








駅舎前の全景です。写真の左サイドに見えるのは[硬石山サイレン塔]です。


石山の歴史は古く、明治初期から真駒内、石山、藤野、簾舞地区の中心的な地域として石切山駅を中心に大いに発展した地域です。当時は住宅火災や山火事が多く、櫓に半鐘を組み住民及び消防団員に知らせていましたが、昭和30年9月に現水防倉庫裏に石山サイレン塔が設置されました。その後札幌南消防署石山出張所が建設され石山サイレン塔はその役割を終える事になりました。そして平成21年7月に当時の歴史を伝えるシンボルとして保存するためこの場所に移転されたものです。
平成21年7月29日 旧 石山サイレン塔保存実行委員会
旧駅舎の裏手は、道路を挟んでかつての定山渓鉄道の線路跡地などが公園として整備されています。