札幌の文化遺産(札幌景観資産No30)

旧沼田家倉庫

地下鉄東豊線[環状通東駅]から路線バスで環状通を進んだ後三角点通に入り東苗穂4条3丁目の停留場で下車、この通を少し戻ると東苗穂5条2丁目の道路わきにあるのが、札幌景観資産30号に指定されている[旧沼田家倉庫]です。現在は珈琲店として営業しています。この建物は、沼田 薫さんの玉ねぎ倉庫として建てられたものですが、札幌軟石で造られ大きな切妻屋根の妻面に「○沼」印と彫られ外観は石の素材感溢れる風格のある建造物です。この建物は平成22年7月21日札幌景観資産に指定されましたが、札幌市のホームページによると指定の理由として次の2点が挙げられています。
1. 東苗穂の三角点通に沿って建つ石造倉庫で、昭和57年まで沼田家の玉ねぎ倉庫として使用されており、この界隈がかつて玉ねぎ農業が盛んであったことを伝えるランドマーク的存在である。
2. 現在は喫茶店として使用されており、大空間を利用したコンサートや、ギャラリースペース、会議などにも活用され、地域コミュニティの形成に寄与している。



玄関前の表示石柱には次の様に記載されています[建築年 昭和37年 (1962年)この一帯は、かつては有数の玉ねぎ産地であり、貯蔵に適した軟石倉庫が数多く建てられた。この建物は昭和57年まで玉ねぎ倉庫として使用され、個人所有ではこの界隈では最大の稀少な軟石倉庫で地区の産業を伝えるランドマーク的存在である]。
切妻屋根の妻面に「○沼」印と彫られた文字があります。同じく札幌景観資産に指定されている西岡の旧沼田家りんご倉庫にも家紋が飾られていますが、当時としては格式の高い建造物であったことが推測されます。
建物の側面・斜め後ろから写した写真です。