札幌の文化遺産(さっぽろふるさと文化百選)

屯田防風林


防風林の西の端に設置されている[屯田防風・保健保安林]のパネルには大凡次の様に書かれています[この林は明治時代から防風保安林として私たちの暮らしを守り続けてきましたが、この度保健保安林の指定も受け、野生動物との共生を目指した道路造りのため建設省の補助を受けた街路事業により整備に着手しました。歴史的な価値をもつ都市内の貴重な緑地として今後とも大切に守り育てましょう。平成6年11月 札幌市]。


防風林を挟んでこれと並行して南が新琴似、北が屯田の住宅街です。
幅広い道路を挟んで両側は年輪を重ねた巨木が連なり、この木立の下では直射日光も当たらず心地よいウオーキングが楽しめます。木立の間からは防風林の外側を走る車や、住宅も散見され、普通の森林とは違ったイメージです。
案内板にも書かれていましたが、実に木の種類も多く、色々な樹木を眺めながら歩くことが出来ます。森の一隅に[シラカバ]の林があります。長い年輪を感じさせるようなシラカバの大木が連なり大変美しい光景を描いています。先人も森の樹木の配置にもバリエーシヨンを考えていたことが伺い知るような思いに駆られました。樹木ばかりでなく森には多くの草花や巣箱など地域の人たちの森を守る努力も続けられています。
この水辺の側に案内ボードがありここには次の様に書かれています[この水辺は、野鳥などの生き物の生息環境の確保と潤いのある景観づくりを目指して、創成川水再生プラザ再生水(高度処理水)を水源としてつくられました]。
この防風林には多様な草木が見られます。今回(6.22日)は[オオウバユリ]の群落が一面に咲き誇り見事です。
防風林の出口に[札幌市都市景観賞]の受賞記念石碑が設置されています。
案内によるとこの防風林は[保健保安林]の指定を受け、野生動物との共生を目指した道路つくりを目指すと書かれています。[保健保安林]とは具体的にどのような事なのか正確にイメージ出来ませんが、結びの言葉として[歴史的な価値を持つ都市内の緑地として今後とも大切に守り育てましょう]と書かれていることには全面的に賛成です。これだけの空間が住宅地の中央を縦断していることは、先人が残された貴重な遺産です。

案内ボードには大凡次の様に記されています。[この防風林は大正時代に厳しい季節風から農作物を守るために植えられたのが始まりである。泥炭地のため常緑樹は不向きとされ、ヤチダモが植えられたが、現在ではこの他にも、ハルニレ、ナナカマド、白樺、エゾイタヤ、イチョウなどが植えられている。全長8キロに及ぶ防風林は、住宅地が増え地域住民の憩いの場としても活用されている]。