札幌の文化遺産(札幌市指定有形文化財)

旧黒岩家住宅

札幌から定山渓温泉に繋がる国道230号線の北側約200mを走行する市道砥山豊平川沿線沿い(南区簾舞1条2丁目)に保存されているのが[旧黒岩家住宅(旧簾舞通行屋)]です。定鉄バス[旧簾舞通行屋前]からほど近くです。
この道路沿いには[簾舞小学校][花岡神社]等もあります。
[旧黒岩家住宅(旧簾舞通行屋)の玄関前に掲示されている標識です。昭和59年3月28日 札幌市の有形文化財に指定されています。[通行屋]の歴史は古く、[本願寺道路]の開通に遡ります(本願寺道路については別項の[本願寺街道]をご参照ください)。現在の[簾舞]に保存されている[旧黒岩家住宅]は、[旧簾舞通行屋]として使用されていたものですが、この建物は、1871年(明治4年)に札幌-有珠間に通ずる[本願寺道路]が開通された事に伴い、翌1872年(明治5年)に旅行者や開拓者の休憩、宿泊の為に本願寺道路沿い(簾舞)に設けられたもので、開拓使は、当時函館軍川(いくさかわ)の通行屋であった黒岩清五郎さんを簾舞通行屋に指名して移住させました。

1884年(明治17年)通行屋の廃止後、建物は黒岩家の住宅になりましたが、1985年に明治時代の姿に復元され、今では簾舞郷土資料館として使われています。

左の写真は、住宅の裏側から撮影したものです。保存されているこの建物は、札幌における最古の開拓農家の遺構として大変価値の高いもので何時までもこのように保存して貰いたい文化財の一つです。

建物の裏側は緑地公園として地域住民に開放されています。

この住宅がある[簾舞]という地名は、アイヌ語の[ニセイオマツプ(渓谷にある川)]という意味だそうですが、近くには豊平川や簾舞川が流れ、真近に八剣山などの山並みを望む自然豊かなエリアです。