かつての[屯田兵篠路兵村]は、現在の札幌市北区屯田地区です。ここにはかつての兵村の想い出を留める[屯田兵顕彰広場]がありますが、その側に屯田兵の守護神として崇められていた[江南神社]があります。住宅団地として大きな発展を遂げている屯田地区の北端にあって静かな田園風景が漂う静かな佇まいです。
明治22年7月に徳島、和歌山、山口、福岡、熊本、福井、石川の各県から220世帯がこの地に入植しましたが、入植以来移住民の守護神として守り続けられてきました。ここには[天照大神][大國魂命][日本武尊]が祀られ、毎年入植した7月15日には例大祭が行われています。
篠路屯田兵村は、現在の北区屯田地区に拓いた兵村です。現在の屯田地区の中に[屯田開拓顕彰広場]があり、これら縁の碑が建立されています。この碑の台座の部分には碑文として大凡次の様に書かれています[我が町屯田の基礎を築いたのは屯田兵第一大隊第四中隊で明治22年7月15日、220家族1056人がこの地に入植した。この地に入植したのは、四国、九州、北陸、各県の士族で寒冷不毛に耐えながら開拓の先駆者として献身的な努力を尽くした結果、今日の隆盛を迎える事が出来た]。
この[移住記念碑]は、入植後7年を経過した明治29年建立されたものです。220戸の入植者の内訳は、徳島県29戸、和歌山県37戸、山口県49戸、福岡県13戸、熊本県45戸、福井県20戸、石川県32戸でした。この碑は、屯田開拓顕彰広場と隣接している[江南神社]の境内に建立されています。
この神社の境内に[望郷のアカマツ]が4本あります。明治27年、屯田兵本部は、屯田兵が故郷を偲ぶ縁にと屯田兵220戸にアカマツの苗木と、オンコの苗木を[望郷の松]として配りました。このときの松がこの神社の境内に4本残っています。