藻岩地区から定山渓に向かって進むと[藤野]地区です。かつての定山渓鉄道沿線は現在住宅地として大きな発展を遂げていますが、幹線から旧道に進むと[札幌藤野神社]です。神社は小高い丘の上にあり、写真の様な坂を登って境内に進みます。この坂は[まるせん(○の中に千という文字が入っている)坂]と呼ばれています。案内板によれば[明治16年○千の屋号を持つ松沢松之助氏がこの地に入植して開拓の鍬をおろした事からこの坂を○千坂と呼んだ。藤野地区開拓の第一歩を印した場所である]と書かれています。
階段を登ると第一鳥居があり、その奥に第二の鳥居があります。
奥に鎮座する祠です。赤い屋根が鮮やかに輝きを見せています。ここには、大国魂神、少彦名神、明治天皇、大那牟遅神が祀られています。
境内には、[藤野開基百年記念碑]が建立されています。この石碑は、昭和58年に建てられたものですが、[藤野]という地名は昭和19年の字名改正で付けられたもので、以前からあった[藤の沢]と[野々沢]の頭もじから藤野となりました。この地方の開拓は、石狩の大漁師が船を造るための木材を切り出した事から始まりました。その後篠路屯田兵村の公有地となり開拓が進められました。現在の藤野地区は都市基盤の整備も進み一大住宅地として発展を続け、国道230号線沿いには大型商業施設も連なり近代化が進んでいます。
神社の境内から眺めると冬場にはスキー場として賑あう山が間近に望まれます。