札幌駅からJR函館本線で[厚別駅]に向かいます。信濃神社は、厚別駅の近くにあります。札幌市の東部に位置する厚別区は、江別市北広島市に隣接している地区で、野幌森林公園など自然に恵まれ、地下鉄東西線[しんさっぽろ]駅を中心に札幌の副都心として行政、文化施設が集約され一大住宅ゾーンを形成しています。厚別地区の開拓は明治15年にこの地を経由して、札幌と幌内炭坑を結ぶ鉄道が開通した事で本格的に進められましたが、この神社付近の開拓は明治16年長野県から入植した8戸の人々によって始められました。これらの人たちがふるさとの[信州信濃]と読んでいたことから、この地も[信濃開拓地]と呼ばれ、現在、信濃神社、信濃小・中学校等に[信濃]の名前が残されています。この神社は大変広い敷地で、正面の鳥居から奥の神殿を見ることが出来ません。神殿との間に第二の鳥居があり、木立の中に広い境内があります。
広い境内には、様々な碑が建立されています。この神社は、明治28年開拓の先駆者である、河西由造さんが敷地を寄贈し、同30年に建立して出身地に因んで[信濃神社]と命名したものです。この神社に一歩足を踏み入れると喧噪の世界から静寂の世界へと変わり、境内の中はかつての先人達の開拓の息吹が感じられる様な雰囲気です。
現在の社殿は、昭和53年竣工したもので、旧社殿は、開拓の村に保存されています。重厚感に溢れた立派な社殿です。
正門鳥居側に建てられている[御由緒]です。御由緒によれば、御祭神は、建御名方富命(開拓・農業・商業の神)、八坂刀売命(安産守護・子授け・夫婦円満の神)でこの二柱はご夫婦神で19の御子神がまします。この他にも昭和17年8月から同じ厚別旭町に祀られていた、上毛野君田道命(生業繁栄の神)が信濃神社に合祀されています。
境内に鎮座する[牛頭天王社]です。この祠には[スサノオノ命]が祀られていますが、この神は[病気平癒の神]で、金沢彦吉夫婦が東町656番地に祀つていましたが、昭和57年この境内に移されたものです。