[豊平川神社]は左図の[旭水会館]のなかに安置されています。水車通の幹線から僅かに奥まった処に[旭水会館]がありますが、この会館は地域のコミユニティセンターとして地域の皆さんの会合の拠点となつている施設で常時管理人はおりません。私が訪れた時も鍵がかかっていましたが、幸い近くの方が鍵で開けてくださり神殿を拝観することが出来ました。
会館入り口前に[豊平神社由緒記]が設置されてあります。これによるとこの神社の由来は、1887年(明治20年)精米業者古館銀治郎が岩手県から入植し、郷里の水神である三神のご神体を奉戴して、豊平川の氾濫防止と事業の安泰を祈願したものによるそうです。その後1910年(明治43年)札幌神社宮司により社名額に[豊平川神社]と揮毫されてから[水神さん]と多くの人々に呼ばれるようになりました。これから[豊平川神社]は無願神社として現在に至っております。
会館内に入ると奥の一室が神社で扉を開けるとご神体を拝む事が出来ます。ここには、[水波乃命(ミズハノミコト)清い水の流れをいつまでも続くようにする神様][御井神(ミイノカミ)天地万物の生物に清い水を与える神様][鳴雷電命(ナルイカズチノミコト)生物の水が不足しない様に雷電によつて雨を降らせる神様]の三神が祀られています。昭和46年にそれまでの幹線通から会館が現在に移転したため、このときに神殿も新たに造営されたのでしょうか、白木の香りが漂うような新しい造りのようでした。
この部屋の片隅には、お祭りで使う、太鼓や幟などが置かれています。この神社では、毎年4月15日には春季例大祭、9月15日には秋季例大祭が行われる様です。そのときにはこれらの道具が大活躍するのでしょう。
街の中心から水車町に来るには、いずれにしても豊平川の橋を渡らなければなりません。現在では、川も整備され氾濫などのおきる危険性はありませんが、かつては、地域の人々は度重なる川の氾濫に悩まされ続けてきたのです。札幌の父なる川と言われる豊平川は、札幌市民の生活の上でも水の供給源として大きな役割を担っていますが、自然保護の立場からも、何時までも美しい景観が保持できるように、豊平川神社の神神に御守りいただきたいものです。