[円山西町神社]は、円山公園の裏手に当たり、幹線道路はバスの路線にもなつていて交通の多い場所です。大きな鳥居をくぐると神社の敷地ですが、境内というよりは[緑地]といった趣でかつての原始林がそのまま遺されている、歴史の重みを感じさせてくれる空間です。現在の[円山西町神社]は、1972年(昭和47年)現在名になりましたが、それまでは[滝ノ沢神社]と呼ばれていました。
木立の影に静かに佇む神殿です。極めて素朴で質素な造りのなかににも、威厳に溢れた雰囲気を漂わせています。この神社は1895年(明治28年)この地に入植した人々が[大山祇神]を祭神として祀ったのが始まりです。この神殿は、かっての拓殖銀行本店屋上にあつた神殿を譲り受け、あわせて札幌神社(現在の北海道神宮)から分霊を受けて合祀祭神としたものです。現在、祭神としては、大山祇神、大国魂神、大穴牟遅神、少彦名神の4神が祀られています。
境内に建立されている[大山祇神碑]です。読み方は、[おおやまづみのかみ]ですが、この神は、日本全国の山を管理する総責任を担った神だそうです。この神は、全国約一万社に祀られている大変有名な神様の様です。
現在の神社敷地は、円山在住の上田善七氏が所有していた853.3坪を神社用地として寄付したものです。この上田氏の功績を称えて1923年(大正12年)顕彰碑が建立されましたが、風雪に晒され刻字も殆ど見えない状態です。上田善七は、特に農業面での功績が大きく、円山地区を近郊一の野菜生産地に作り上げるほか、原野の開拓にも大変尽力を尽くされた先人の一人です。現在の円山会館前庭には、円山開村記念碑と並んで同氏の顕彰碑も建立されています。
円山公園から円山原始林を通り抜けると円山動物園の正面に出ます。ここから円山の丘陵地帯を上っていくと[幌見峠]です。ラベンダーと夜景の美しさで新しい札幌の観光スポットとして脚光を浴びています。このラベンダー畑から見た札幌の様子ですが正面に見えるのが[円山]です。この裾野に[円山西町神社]があります。