上山鼻神社の社殿です。山裾を削り取って造営したのでしょうか、社殿がすっぽりと山裾に埋まっている趣です。社は小さくともなかなか立派な造りです。
札幌から定山渓に向かう国道230号線を進むと左手に豊平川右手に藻岩山を望む南32条の道路沿いに[上山鼻神社]があります。1891年(明治24年)創建された古い社で当時は現在の南30条の三叉点付近(このあたりは明治天皇が行幸の際山鼻兵村に向かう為通過されたので現在も[御幸通]と呼ばれている)にありましたが、昭和24年9月に現在地に移されたものです。[上山鼻神社]の石柱が静かに佇んでいます。
神社の敷地の近くには山鼻川が流れ、北海道電力の藻岩山ダムもあります。この神社の石柱の近くには、ダム工事で亡くなった方を慰霊する慰霊碑なども建てられています。この神社は自然の中に造営された神社で通常の神社というイメージではありませんが、それだけに野趣に溢れた時代的な重みさえ感じさせてくれます。この鳥居からなだらかな石段の参道を登ると正面に神殿が現れます。
この神社は、明治24年馬匹の無事息災を祈念して[馬霊奇神社]の石碑(写真左)を建てたのが起源だそうです(この石碑は神社の鳥居の前に現存しています)。又、[猿田彦大神]の碑(写真右)は、明治41年に長堀権吉が渡道した折りに持参した掛け軸を人々が参拝し、庚申講と称して石碑を建立して祀つたものです。