伊藤亀太郎

プロフイール

1886年(明治19年)開拓使に替わって北海道庁が創設され、北海道も開拓の時代から開発の時代へと移り変わり、札幌の都市基盤の整備も急ピッチで進められる様になりました。この様な時代背景の中で活躍した先人の一人が伊藤亀太郎(いとうかめたろう)です。伊藤亀太郎は、1863年(文久3年)12月26日、新潟県三島郡出雲崎で生まれました。1885年(明治18年)亀太郎は北海道に渡り札幌で開拓使の建築工事に従事しました。その後幾多の変遷を経て1893年(明治26年)、亀太郎は31才で独立して工事請負業を創業しましたが、現在の北海道を代表する総合建設業の一つである伊藤組の基盤を築いたのです。亀太郎はその後木材業にも事業を拡大し、鉄道工事を始めとして札幌農学校の図書館、旧札幌停車場、旧札幌中央郵便局など、現在も歴史を語り継ぐ建築物として保存されている幾多の建築工事に努力を尽くされました。亀太郎は、1944年(昭和19年)6月27日、82才の生涯を終えられました 所蔵 北大付属図書館

伊藤亀太郎と歴史的建造物

かつて大通公園西2丁目にあつた、札幌郵便局舎です。現在は札幌駅北口に札幌中央郵便局として移転していますが、この建物も伊藤亀太郎が手がけたものの一つです。
所蔵 札幌市公文書館



札幌停車場写真は、1908年(明治41年)建築された、旧札幌停車場です。この駅舎は、1951年(昭和26年)老朽化のため取り壊されましたが、木造2階建ての洋風建築は札幌の玄関口として長く親しまれてきました。現在の札幌駅南口からかつての姿を想像することすら出来ません。これらの建設も伊藤亀太郎の請け負った仕事の一つでした。所蔵 北大付属図書館
旧停車場が現在厚別区の[開拓の村]に保存されています。開拓の村の正面にあって園内の入り口にもなつています。
北海道博物館所有
北大旧図書館
北大キャンパスのクラーク像からは正面に農学部の建物が、右手に折れると中央道路です。農学部の手前には旧図書館であったこの建物と、旧農学校の建物が姿を見せています。この図書館は、1902年(明治35年)に建てられたもので、現在の図書館が出来る昭和40年まで北大の図書館として使われていた建物です。現在は重要文化財として保存されています。この建築も亀太郎が請負ったものの一つです。
旧図書館前の案内ボードに掲載されている建築初期の図書館の写真です。説明文によると読書室は木造平屋、書庫が煉瓦造り2階建てで1986年まで図書館として使用されていました。
写真の所蔵は伊藤組土建株式会社となっています。