スイス三日間の旅日記


10月22日、我々を乗せたAF-982便は12.10分パリCDG空港を離陸して13,15分スイス最大の都市であり東の玄関口でもあるチューリッヒ(Zurich)に到着した。今回のスイスでの旅程はチューリッヒからルッエルン、そしてジュネーブというスイスの東西を横断するコースで、移動はすべてバスというかなりの強行軍を強いられた僅か3日間の短いスイス滞在であったが、この間澄みきった青空の下、静かな装いに包まれたチューリッヒ湖、ルツェルン湖、雄大なユングフラウ、アイガーなどのアルプスの山々、中世を偲ぶ古城シヨン城、スケールの大きいレマン湖などは私達の旅の疲れを癒すに充分であった。憧れのスイスを旅した興奮と感動を胸に秘めながら10月24日13.55分ジュネーブに別れを告げSR-666便は一路最後の訪問地スペインのバルセロナへと旅発つた。

10月22日(日)

チューリッヒに到着した我々は早速空港から市内の観光に出掛けた。チューリッヒはチューリッヒ湖の北端に位置するスイス最大の都市で標高409bで、市内にはジール川とリマト川の二つの川が流れ、リマト川の川沿いは緑豊かな美しい佇まいを呈している。何せ限られた時間の観光のため唯観光スポットを走り抜けたような印象しかなく、従って写真を撮る時間も無く、ホテルに戻って絵はがきやガイドブックでそれらを今一度確認するような状態であつた。チューリッヒのホテルは[Hotel Zurich]でリマト川の河畔に立つ20階のホテルで★も五つ星で各窓辺から眺める市内の町並みは旅情を掻き立ててくれるような眺望で、暫し異国の美しい町並みに感動。
ホテルで休息ご、リマト川の河畔を散策しながらレストラン[ツォイクハウスケラー(Zeughauskeller)を目指す。このレストランは昔の兵器倉庫を改造した大きなビアホールのような感じで、スイスの郷土料理が食べられるお店で、我々の度肝を抜いたのはこの店自慢の[ソーセージ]である。長さが数メートルもあるソーセージがテーブルの上に運ばれ、各人が好きな長さに切って食べるというダイナミックなものであった。スイスならわでの美味しいワインと共に深更まで語り合いながらスイスの一夜を過ごした。

10月23日(月)

チューリッヒで一夜を過ごし、翌朝部屋の窓辺から近くに流れるリマト川のせせらぎを聴きながら眠りから目覚める。今日は午前中ここから約50`先のルッエルンへ出掛け研修の後、午後は一路ジュネーブに向けての長旅が始まる。ルツェルン(Luzern)は、昔も今もスイスを代表する観光名所の一つと謳われ、美しい湖と四囲に連なるアルプスの山並、その中に中世の名残を留める建造物が点在し、絵画的美しさで我々を魅了させてくれる。この町はルツェルン州の州都でもあり、通称ルツェルン湖と呼ばれている湖は正式には[フアイバルトシュテッテ]で、ドイツ語で4つの森林州の湖と言う意味だそうだ。ここから流れるロイス川の河畔に街がひろがっている。私達の視察の目的は[ISL(International Sports Culture and Leisure Marketing AG)]と言う組織、わかりやすく言えば、オリンピックや、日本でも開催されたワールドサッカーなどの放映権を扱う処で、今後益々多メディアの中で激化するスポーツビジネスの今後の展開を勉強しようと言うものです。本部近くの近代的なホテルで関係者と懇談する中で、スイスの様々な事柄についても多くを知ることが出来たことは大変な収穫であった。美味しいスイス料理を頂いたあと、ホテルの周りを散策して一時のルツェルンの美しさを胸に納めながルツェルンを後にした。
バスはルツェルンを発って一路ジュネーブに向かうが、途中には[ベルン][ローザンヌ]そして有名な[レマン湖]等があるが、どの様なコースを走行しているのかは全くわからない。ガイドの説明によると我々のユングフラウの雪山を見たいと言う要望に応えて、高速道路を走らず山道を走つているという事であつた。そのお陰で小さな集落と山間の道路など、ものすごいスピードで走り続けるバスの車窓から次々に変わりゆくスイスの長閑な田園風景、遠くに、近くに変化しながら姿を変える山々の美しさに、疲れにまどむ時間を惜しんでスイスの自然の美しさに見とれるばかりであった。
[レマン湖]は別名で[ジュネーブ湖]とも呼ばれて
おり、標高372b、面積583平方bである。
湖岸には[ローザンヌ]や[ジュネーブ]の都市があり、スイス、フランスの国境に跨る中部ヨーロッパ最大の湖である。(右図)




              
夕刻迫る頃我々はレマン湖の湖上に浮かぶ古城[シヨン城]に到着した。
この城はスイスを代表する名城で13-14世紀にはサヴオワ公の夏の居城として繁栄していたと伝えられている。レマン湖に浮かぶ幻想的な姿は多くの画家や詩人を魅了して、古城に纏わる多くの作品を通じて世界的にも有名になった。我々が訪れたのは夕日が沈む間近で薄明かりの中に静かに佇む古城はいやが上にも幻想の世界へと引きずり込まれる思いだ。





古城の見学を終え程なくジュネーブ市内に入り、夜のとばりがおりる頃ホテルに到着する。今夜の宿は[ホテル プレジデント ジュネーブ]で、旅装を解く間ももどかしく市内の夕食会場へ移動する。
ジュネーブでの一夜が明けた翌日、我々は閑静な街中にある[EBU]を訪問した。EBUとは1950年に設立されたヨーロッパ放送連合の事で現在(1989年当時)の会員数は32ケ国39の放送事業者が加盟し、ヨーロッパ以外の国は準会員となっていて我が国でもNHKを始め民放などが参加している。今後衛星放送が急速に発展する中で放送の分野でもグロバリーゼーションが進み、番組の制作・放送も世界的視野に立って行う時代がやってくる。そのためにも国際的な視野に立った学習も益々重要視されてくる事を痛感させられる。

スイス寸感

駆け足ツアーのスイスについて多くを語る事は出来ないが、それだけに再度訪れる際には歴史、文化面などゆっくりと見学してスイスの神髄に触れたい思いを胸に納めて10月24日午後束の間のジュネーブを後にしてSR-666便にてバルセロナへと旅発った。ジュネーブは訪問先の道すがら市内の景観を眺めるだけで殆ど観光スポットをこの目で見ることは出来なかった。スイスへの再訪を胸に刻んでから早くも十数年の月日が過ぎ去った。フリーの身になってからこの思いを遂げようと考えた矢先、思わぬ疾病が発生しその希望も頓挫せざるを得ない状況にある。この悔しさを紛らわす為、スイス政府観光局のホームページなどを訪問しながら脳裏に浮かぶあの時の感激を蘇らせている。
 View of Switzerland スイスの画像をスイス政府観光局からお借りしてフアイルを作りました。
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   スイス政府観光局(http://www.myswitzerland.com)